象徴の設計 (文春文庫)



象徴の設計 (文春文庫)
象徴の設計 (文春文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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いかにして皇室があそこまで祭り上げられたかの物語

 レビューを書いている人が何人もいらっしゃって、とても嬉しい。私は見つけるのに苦労したが、結構売れたんだろうか、この本。
 山縣というのは、何の魅力もないつまらない男だ。一応、萩に建っている銅像はカッコいいが、あれは彫刻家の腕だ。胃腸が弱いから好物の筍の繊維をとらせて食べてたって、筍から繊維を引いたら何が残る?手弁当で宴会に行っていたのも、それぐらいなら行くなよな。
 維新の志士たちが便宜上担ぎ上げた「皇室」を(少なくとも大久保や木戸はそう思っていたはず)本物の神様に祭り上げちゃったのが、このバカ男なのだ。松本清張は数々の名作と駄作を世に送り出した人だが、これは傑作だと思う。幕末ファンから明治以降に興味を持った方、読む価値あり。
清張史学の精華

西南の役(西南戦争)での自らの反省を元に、「神」の代替物としての「天皇制」の創出に乗り出し、「軍人勅諭」を編み出した山県有朋を描く。(これを読むと、彼こそがいわゆる太平洋戦争の真の遠因であったように思えてならない。)とにかく読み応えあり。
明治10年代

さすがに読ませる。
冒頭の事件から、ぐいぐい引き込まれる。
明治10年代は、さほど親しみのある時代ではない。
そこを山県有朋を通して語るという構想は、
意外に成功していると思う。
明治14年の政変なんて、教科書でしか知らないけど、
こういう話であったのか・・。
明治政治の裏を知る

現代で明治を舞台に小説を書く作家と言えば、この松本清張の他に司馬遼太郎、山田風太郎、三好徹などなど数え上げる事が出来るが、何と言っても清張の重厚さにはかなわないのではないか。しかも、これを書くと同時に現代物も多作している姿勢を生涯変えなかった態度には、とても理解不可能な特殊な才能があったとしか言えない。山県有朋の全く面白みのない性格、生活を書いた作品としても読む価値はある。



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